ポスドク1万人計画と博士の就職難
ポスドク1万人計画は、ポスドクの就職難という問題を起こしました。
大学院の博士課程を出た若い研究者に期待するポスドク1万人計画は、日本社会に良い効果を与えると考えられたものです。しかし、ポスドク1万人計画は、博士の就職問題、ポスドクが無職になる問題を見落としました。その結果、ポスドクの就職難、職に就けないポスドクが増加し、博士の地位は低下しました。
I.ポスドク1万人計画後の博士のリスク
1.ポスドク1万人計画
ポスドク1万人計画の理念は良いものを目指しているのでしょう。しかし、ポスドクの就職先の問題が解決されなければ、博士の地位が下がってしまいます。それは、長期的には日本の科学技術に大きな悪影響を与えるでしょう。
ポスドク1万人計画は、入口を述べました。しかし、ポスドクの問題は、入口の問題ではなく、出口の問題なのです。
2.ポスドク1万人計画は、博士の過大なリスクをもたらした
ポスドク1万人計画によるポスドクの増加は、博士の就職のリスクを大きくしました。優秀な人材が集まらなくなる効果は、徐々に出てくるでしょう。そして、
日本の科学技術を蝕んでいくのです
。
II.数を増やすことで解決できるのか
博士に起こったことは、他の理工系についてもあてはまります。
博士の数を増やしたのと同じように、理系の数を増やそうとする動きがあるでしょう。
しかし、数を増やせばよいのでしょうか。
出口が狭いのに、入口を広くしても、経済原理に反することは実現できないのです。
博士の増員は、博士の地位の低下となって、ちゃんと返ってくるのです
。そして、若い人も、敏感に社会の流れを感じ取り、
ポスドク離れ、博士離れ
をすることになるです。
もし博士離れを食い止めるならば、博士の社会的な地位や待遇を高めるのが効果的でしょう。出口の問題です。
III.ポスドク1万人計画と、博士の待遇
博士離れを、その待遇を改善しないで食い止めるというのは、博士を増やし、博士になりやすくすることです。ポスドクを増やすのと同じく、誰でも博士になれるようにします。博士の定員は確保でき、大学の経営はうまく行くでしょう。
しかし、人材の枯渇は見えにくいため、気づいたときには手遅れになっているでしょう。
IV.ポスドク問題の解決策
ポスドク問題は、その待遇の改善によって解決するしかないでしょう。就職難にならないように、受け入れ体制を作っていかなければなりません。
このようなことを実現するには、博士だけではなく、理工系、理系の広範な連帯が必要です。
ポスドクに起こったことは、他の理工系にも起こりえます。博士離れと、
理工系離れ、理系離れ、理科系離れ、理科離れ
とは、関連する問題です。
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